
世界の燻製:魚-メジャー魚








燻製ニシンはイギリスの伝統的な料理として有名。またバルト海、ボーンホルム島、デンマークの伝統的な料理でもある。イギリスでは塩漬けにして燻製したニシンの呼び名を三つに分けている(正確にはニシンでなくてもよいが)。
・bucklingは主に頭をカットした熱燻製。
・kippersはニシンを開き熱乾燥後に冷燻。
・bloatersは丸干しでニシンを冷燻製。
キッパーは朝食に食べるイギリスの定番料理。なんだか定義がややこしいが結局どれもニシンの燻製である。ちなみに、燻製ニシンの虚偽・red herringという慣用句はキッパーからきている。
また世界一臭い缶詰で有名なスウェーデンのシュールストレミング( surströmming)はニシンの発酵食品である。



鰻の燻製はオランダ、ドイツでは伝統的に作られている。食べ方はパンにはさんだりして食べるのが一般的。またイギリス料理の鰻のゼリー寄せの燻製バージョンもある。鰻は欧州では定番の燻製食材。









フィナン・ハディ(Finnan Haddie)は燻製鱈(コダラ)の事。名前はスコットランドの漁村 フィンドンに因み呼ばれる。もともとはピートで冷燻製した鱈である。1830年代にロンドンで人気となり、ピートの採掘が盛んであるスコットランドのアバディーンで作られ輸送された。食べ方はミルクで煮て朝食にされる。また燻製した鱈を用いたケジャリーというイギリス料理もある。炊いた米、パセリ、ゆで卵、カレー粉、バターもしくはクリーム、場合によってはサルタナを加えて作る、インドに由来をもつ料理だ。

サーモンの塩漬け燻製。ベーグルなどのユダヤ系アメリカ人特有の食物とともに食べる場合、スモークサーモンではなくロックスと呼ぶことが多い。語源はドイツ語(Lachs)。またスカンジナビア料理のグラブラクス(gravad LAKS)の異なるバージョンで知られている。

トラウトは鱒のこと。ニジマス、サクラマス、イワナ、アマゴもくくりは同じ。熱燻、冷燻限らず漁業、養殖をしている各国で燻製されている。


イワシの燻製は欧州を中心に世界各国で作られている。日本では販売されていないが燻製アンチョビは、究極の酒のつまみ。燻製オイルサーディーンの缶詰は、ラトビア、エストニア産のものをコンビニやスーパーでもみかける。これも最高に旨い。


貝類の中でも牡蠣、ホタテ、ムール貝の燻製は缶詰になり各国で販売されている。またオイル漬けなどにされた海外産の缶詰は最近コンビニでも販売されている。



グリムスビーは、イギリスの漁業の町で魚の燻製が盛んであった。1950年代の最盛期には、世界で最大かつ最も忙しい漁港であった。 主な燻製は鱈、サーモン、ニシン。2009年グリムスビーの燻製は、欧州委員会によって保護地理的表示(PGI)に認定された。