世界の燻製:ハムの種類
Jamon・ハモンはスペイン語でハムの事。ハモンは主に2種類ある。
●ハモン・セラーノ:改良種の白豚で作られた生ハム 。
●ハモン・イベリコ:黒豚イベリア種で作られた生ハム。
ハモンはいくつかの地域では燻製もされ、質感とスモーキー・塩味風味を持つスペイン伝統の生ハム。
Speck・スペックとはイタリア・チロルで作られる生ハム。
豚もも肉を塩漬け後、燻製し長期熟成させる。濃厚でほのかに甘くライトスモーキーな食感。イタリアを代表する燻製された生ハムである(ノンスモークも有る)。スペック・アルト・アディジェPGIは、スペックで最も有名なブランド。イタリアの生ハムといえば、Prosciutto di Parmaプロシュットデパルマが最も有名だが、こちらは燻製をしない生ハムである。
Presuntoはポルトガルで作られる生ハム。
ドングリ、ハーブ、木の根を主に食べ育つ為、ほのかにナッツの香りがするporco preto(イベリコ黒豚)品種から作られる。熟成は18~36ヶ月。燻製をされるものもある。
Presunto de barrancosはPresuntoで最も有名なブランド。EUよりDOP認定されている。
ブルガリア・エレナのドライ生ハム。ブルガリアを代表する人気の生ハム。豚もも肉を塩漬け、乾燥、燻製、熟成し作られる。一番の特徴はバルカン山脈がはぐくむ気候で作られる事にある。年間を通して安定した環境は、生ハムをじっくり熟成させる。別名エレナポークレッグとも呼ばれる。
モンテネグロの村の特産品。ドライ生ハム。その独特の味と香りは、アドリア海とバルカン山脈に面した環境と、そこで育った木材による燻煙にあるといわれている。味はハードタイプの生ハムだが脂分が舌でとろけるほど濃厚で余韻がほのかにスモーキである。
北ドイツのアマーラントで製造される乾燥硬化の燻製ハム。EU法の下でPGIのステータスあり。豚もも肉を塩と黒砂糖、およびジュニパー、コショウとオールスパイスなどで3週間塩漬けされる。その後ブナで冷燻され、最大2年間熟成される。
Benton's Smoky Mountain Country Hams。アメリカ・テネシー州マディソン群のハム。塩、黒砂糖、および亜硝酸ナトリウムを使用して、じっくり塩漬け。薪を使って燻製をし、平均9〜10ヶ月最大18ヶ月まで熟成される。
Black Forest ham・ブラックフォレストハム。ドイツ語で黒い森のハムというブランド名のハム。豚やイノシシのももが使われる。ヨーロッパでベストセラーのハム。
製造過程は約3ヶ月ほど。ニンニク、コリアンダー、唐辛子、ジュニパーベリーや他のスパイスで2週間塩漬け。 塩抜き後乾燥させ25°C以下で数週間冷燻製される。燻製材は、おがくずやモミ。
スウェーデンの伝統的な家庭料理。クリスマスのお祝い料理に使われるハム。原料は猪肉、豚肉で本格的に燻製もしていたが、現在は市販品を焼き上げるスタイルが多い。
アメリカ南部のソウルフード。豚の足や足首ではなく、足の骨のシャンクエンド使用したハム。欧州でも異なった名称でハムが作られている。またBBQ食材としても人気。写真は燻製されたもの。骨付き豚すね肉ハムといったところ。
Stuffed ham・ぬいぐるみハムは、キャベツ、ケール、タマネギなどとスパイスをみじん切りにし、混合された家庭料理の燻製ハム。起源は南部のメリーランド州。日本で言うご当地グルメといったところ。
ヴェストファーレンハムはドイツの森でドングリを食べて育った豚から作られたハム。ブナやジュニパーの枝の混合物で燻製される。
Éislekerハムや、ハムドールOeslingは、豚の後ろ足から生成されるルクセンブルク北部のハム。2週間塩漬けをして、約一週間ブナ、オークチップで燻製される。食べ方は、フライドポテト、サラダ、などに合わせる。またオープンサンドイッチのようにバターを塗ったパンに乗せる。EUよりPGIの認定をうけている。
PRAGA・プラハのハム。ブナで軽くスモークされたボンレスハム 。1920~1930年代に人気をはくし各国に輸出されたが、人気故他国でコピーされ、コピー商品が出回ったという過去がある。
Sopockaは、ポーランド料理で豚肉の塩漬けを燻製したものに与えられる名前。ポーランド版ハムやベーコンといったところ。
Tasso ham・タッソハムは南ルイジアナ州の料理。タッソは、後肢の豚の脚ではなく、豚の肩から作られているので正式には「ハム」ではない。熱燻製で作られる。使用される部位からショルダーベーコンやロースハムに近い食感である。
オーストラリアのZammit Ham & Baconのクリスマスハム。骨付きのハムは珍しい。100%オーストラリア産の豚を使用。