自家製手作り生ハム原木を作る12ヶ月熟成

生ハム原木・10・24ヶ月熟成

燻製の作り方レシピ
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10ヶ月熟成!生ハム作り。

●難易度が高い為基本的には作らないでください。
今回の生ハム原木レシピの条件!
■基本放置で作れる。
■冷蔵庫を使わない。
■倉庫かベランダで熟成をする。
■10ヶ月以上熟成。
■旨い事。
生ハム作原木りの工程表
・12月から作り始める。
➡冷蔵庫を使わない前提なのでこの時期から始めるのが必須である。
・3月上旬まで極力脱水させる。
➡日本の蒸し暑い夏を乗り切るため冬の時期に極力脱水を心がける。1~2月の寒い時期に外で放置すればかなり脱水が出来る。
・3月以降は熟成&放置
➡倉庫等日の当たらない場所で放置。
・10月以降完成。
➡この時期になるとカビまるけになってます。カビを洗い流して乾燥したら完成。
ポイント!
■12月から仕込み、3月頭くらいまでは、なるべく外に干し冷たい風にさらし、脱水を早める。塩漬けをしっかりし表面が脱水されていれば、蒸し暑い夏でも大丈夫。ノリ的には洗濯物を干す感覚で。「今日は天気がいいから外で生ハムを干そうかな」って感じでOKである。
■塩は入念にすりこみ、血抜きをしっかり行う。
■3月までにしっかり脱水できればこっちの物!あとは日の当たらない場所に放置。
■スニャトゥーラは不要。但し自宅や倉庫を脂まみれにしてもいいなら、もちろん使ってもいい。さらに美味しく仕上がる。
■燻製工程は出来ればしたい。腐らせないということが必須条件である以上、燻製の効果は大である。特にピートで燻製をすると熟成中の香りが香ばしくてたまらない。(通常生ハムは30度以下の冷燻で行うが、表面を乾燥させるという点では40度位2時間でも問題ない)
■最終的に表面に付いたカビを洗い流し1日天日干ししたら完成!
■皮の部分は食べれません。捨ててください。
■長期熟成です。カビが生えます。このレシピであたったことはありませんが、公的機関で細菌検査等をした物ではありません。最終的な判断は、ご本人様でしてください。
■食材
・骨付き豚もも肉(10kg)
■塩漬け
・塩…1kg(容量の10%の塩)
・ブラックペッパー…適量
・砂糖…300g(塩の1/3)
・ハーブ…好みのものを適量
・チリペッパー…適量
・赤ワイン…350cc(無しでもOK)
■燻製材
■工程表
・■所要時間=1年間
→ソミュール漬け=10日
→塩抜き=12時間
→風乾燥=24時間
→燻製=2時間×1~3
→風乾燥&熟成=6~12か月以上
→カビ取り=水で洗い流す
→乾燥=1日干す
→乾燥=完成

▼Let's 生ハム原木作り!

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豚もも肉10kg
▼骨付き豚もも肉10kgをネットで購入
まず原木つくりは豚もも肉の購入からはじまる。近所の精肉屋さんか、スーパーの精肉屋さんに頼んで仕入れてもらうのが一番堅実。たださすがに断られることがある上に、100g200円以上取られることもある。そこで安価に済ますなら、ネットでの購入。100g=90~150円くらいで販売している所もある。 また注文の際は生ハムを作ることを伝え、血抜きもお願い出来たら楽である。
2
生ハム用豚もも肉豚もも肉血抜き
▼血抜きをしっかりする。
血抜きは、腿肉の中にある血管に沿って内側から外側に向かって、絞り出すように押し出す。色々やり方は拳を押し当ててぐりぐり絞り出す。血が残っていると腐る原因となったり、味が落ちるためここはしっかりとやる。ただ注文時血抜きを依頼しておけば、確認程度でOK。
3
▼血抜きの参考動画。10:30~
血抜き工程が分かりやすいです。その他生ハム作りのノウハウ満載。一度全部見ることをお勧めします。
4
▼塩漬け期間10日間。
塩を入念にすりこみます。容器はホームセンター等に売っている蓋つきの衣装ケースが最適1000円以下で売ってます。基本塩だけでもOKですがブラックペッパーと砂糖は使ったほうがいいです。また赤ワインやウイスキーなどを350㏄程度入れてすり込むのもおすすめ。仕込み終わったら、10日寝かせます。
5
▼12時間塩抜き。
表面を洗ったあと、容器に水をはって12時間塩抜きをする。
6
▼風乾燥
塩抜き完了後、ひもで縛ってS字フックでつるし、水気をふき取り風乾燥を24時間行う。
7
スモークウッド火の着け方
▼桜ウッドで2~6時間燻製
風乾燥が終わったら燻製工程。
このサイズの燻製機を準備するのは無理である。そこで段ボール燻製器もしくは、外で木に吊るして、下から煙をあてるだけでOKです。
外で燻製をする方法
燻製機を使わないで外で燻製を行う際は、風がない日が必須条件。木など何かにつるして下からウッド2~3個で(若しくは桜の薪を焚いて)燻製をする。ウッドから肉までの距離は50cmくらいがベスト。(肉の下のほうは多少焼きが入ってもOK)※燻製工程は無理なら省いてもOK。
8
▼パテ(スニャトゥーラ)は使わない
スニャトゥーラとは、
・豚の脂
・小麦粉
・黒胡椒
・唐辛子
などを練り合わせたもので、上記写真のように脂身がない部分に塗り、極度の乾燥を抑える効果がある。生ハムを作る工程では必須である。ただこれをすると夏場辺り半端ないくらい脂が落ちる。何度か試した結果乾燥を早めるというメリットもあるので使わないことにした。
9
▼3月までは外で脱水を心掛ける。

12月から仕込み3月の頭辺りまでは、日陰の風通しのいい場所で乾燥を心がける。
・ワンルームマンション住まいならベランダでOK。ベランダが使えないのであれば物置や倉庫でもいい。もしくは部屋でもOK。その際は極力風通しを良くすること。晴れた日はベランダ等で干し、風に当て乾燥を早めること。

乾燥の注意点
ここで一番大切なことが、肉の表面を極力脱水させることと、雨などにあてないことだ。1~2月くらいの晴れた風の強い日は絶好の脱水日。そんな日は朝から外干ししましょう。ここで表面をしっかり乾燥させれば、日本の蒸し暑い夏でも乗り切れる。写真は12月末から仕込みはじめ、2月末までベランダで風乾燥後、物置に6月まで放置した物。燻製の色と脂の酸化による色が交わって、香りは甘く香ばしい。
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▼4月くらいから脂がかなり落ちます。
段ボールや受け皿を使っての脂対策が必須です。ちなみにスニャトゥーラを塗った場合はこの比ではなりません。
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▼7月・進捗具合

撮影用に倉庫から外に出しました。熟成工程6か月目。季節は7月。静岡は連日35度超えの真夏日。それでも順調に熟成が進んでいる。

試食
表面の脂は酸化してかなり苦い。表面の脂分をそぎ落とし赤身を味見してみた。香りは、ナッツのような香りをほのかに感じる。味は、最初甘く噛めば噛むほど塩味とコクが深まる。旨いです。
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▼8月を過ぎたあたりから一気にカビが発生
9月初旬。台風が接近していてジメジメしていた時期に一気にカビが発生。ただこのまま放置です。
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▼11月・10ヶ月熟成が完了
11月初旬。カビまるけになった生ハムが倉庫で眠っていた。脂受け用に置いた段ボールには大量の脂がしみ込んでいる。
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自家製生ハム原木の作り方
▼カビを束子で洗い流して乾燥
カビを水で丁寧に洗い流す。表面が乾燥しているので結構簡単に洗い流せる。洗い流した後は日陰の風通しの良い場所で1日干す。これで完成である!約1年をかけた生ハム作り。長い道のりでした。
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▼早速切ってみる。
表面はカチカチだが、中はしっとり。赤みが非常にキレイです。もう食べたくて仕方がないので、食べます。
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12か月熟成生ハム完成
▼時間をかけた事があるだけの味に仕上がる。
3月までに十分に表面を乾燥させたため、11月の今日までほとんど倉庫に放置で一切手間がかかっていません。それでも出来栄えは上的!赤みの色味が鮮やかでしっとりしていて、つやがある。味も塩味が噛めば噛むほど出てきて旨みが増す。熟成させる場所の確保が必要ですが、それ以外に難しい事はありません。ただ冒頭にも記載しましたが、このレシピで本当に安全なのかは保障できません。自分自身何度も食べてきましたが一度もあたったことは無いですが、確証はありません。最終的な判断はご本人様でお願いします。

▼生ハム24ヶ月熟成報告

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2年熟成自家製生ハム
▼24ヶ月熟成は半端ない旨み
常温で真夏には40℃を超える倉庫での熟成を2シーズン耐えて仕上がった、24ヶ月熟成の生ハム原木。水分は明らかに飛んでいるが、赤身のジューシーさは脂身があるため残っている。
香りはナッツの様な芳醇な香りで食欲をそそる。味は最高に濃厚でうまみが凝縮されている。ワインがたまらなく美味しい。生ハム作りは自己責任で作っていただくしかないのですが、ここまで熟成させると本当に旨い。
燻製器
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