チーズの作り方とチーズ料理
CLUB CHEESE >チーズの作り方基礎講座編

実は全てのチーズ作りの工程は共通している

牛乳で作る手作りチーズのレシピ
■基本上記工程で全てのチーズが作られる。
数百種類あると言われるチーズだが、実は基本的なチーズ作りは上記の工程で共通している。
後は乳、発酵、温度、熟成、水分、脂質、塩味、細かい工程、などが異なることによって様々なチーズに仕上がるだけである。
逆に言えば上記にレシピを記載したように、フレッシュチーズであれば家庭でも簡単に作ることができる。慣れてきたらオリジナルのレシピでフレッシュチーズを作ることも可能である。ポイントは上記工程さえ守っていれば失敗はしない!是非オリジナルのフレッシュチーズ作りに挑戦してみてください。かなりハマりますよ。
チーズ作りの乳酸菌とレンネットの働き
Q.ヨーグルトは何故使うの?
本来はスターターというものを使って、培養した乳酸菌を使います。ヨーグルトはスターターの代用品です。ヨーグルトの乳酸菌を使って、牛乳の乳糖を醗酵により乳酸に変える為に使用します。乳酸菌はチーズ作りにおいて牛乳を固まりやすくしたり、熟成工程でもチーズをおいしくする為に欠かせないものです。

Q.レンネットとは?
レンネットとは子牛や子羊などの第四胃から抽出される凝乳酵素のこと。レンネットの主成分キモシンは牛乳タンパクのカゼインの一部を分解する。つまり牛乳を固まらせる働きのある凝乳酵素キモシンを含む製剤である。上記カッテージチーズのレシピの酢やレモン汁の代わりになるものである。というかチーズ作りにおいては、レモン汁や酢がレンネットの代用品である。レンネットには液体、粉末、錠剤がある。ちなみにこのレンネットのポテンシャルは脅威である。約2~4グラムで牛乳100リットルを固めてしまう。

Q.レンネット使用時は低温殺菌牛乳?
レンネットを使った場合、高温殺菌牛乳では基本的につくれない為、低温殺菌牛乳を使用する。レンネットを使ってチーズが固まる現象には、牛乳中の「遊離カルシウムイオン」が大きく関係している。 だいたい75℃以上の高温殺菌をすると、リン酸とカルシウムイオンが非常に強い力で結合してしまうため、牛乳を固めるためのカルシウムイオンが不足してしまう。その為レンネットを加えてもカゼイン同士を結びつけるものが無く、凝乳しづらくなってしまう。

Q.低温殺菌牛乳とは?
牛乳の殺菌:牛から搾ったままの生乳には、品質に影響をおよぼす細菌なども入っています。牛乳工場では安心して飲めるよう、生乳を殺菌しています。主な殺菌方法には以下の4つがあり、日本では超高温瞬間殺菌が9割以上を占めています。確認方法はパッケージの表示部の「殺菌」という項目があるのでそこをチェックすればOK。ちょっと大きなスーパーであれば大概一種類くらいは、おいてある。
★殺菌法別の温度と時間
・低温保持殺菌法:63〜68℃で30分
・高温短時間殺菌法:72℃以上で15秒以上
・超高温瞬間殺菌法:120〜130℃で2〜3秒
・超高温瞬間滅菌法:135〜150℃で1〜4秒

牛乳が凝固(カード)する方法のまとめ

■なぜ凝固するの?その理由。
レモン汁・酢
・タンパク質の酸変性(フルーチェ)
レモンや酢を牛乳に入れると、酸によってpHが下がります。これによりタンパク質の形が変わります。 タンパク質は、pHが下がることで性質が変わり乳脂も引き連れ固まります。ちなみに、クリームはpH6~7、レモンのpHは1~2程度です。乳タンパクはpH4.6程度で凝集、沈澱がおこるため、レモン汁で固まります。つまりレモンや酢でなくとも、グレープフルーツやクエン酸、酒石酸、乳酸等でもOKです。
ヨーグルト
・醗酵(ヨーグルト)
牛乳に含まれる乳糖は乳酸菌で醗酵することにより、乳酸になります。これによってヨーグルトのように固まったかのよう見えます。牛乳にヨーグルトを入れるのは、ヨーグルトに含まれる乳酸菌を利用して凝固させたり旨みを引き出している。身近なものではヨーグルトそのものが、生乳に含まれる乳酸菌によって、発酵しヨーグルトになります。
レンネット
・タンパク質の変性(チーズ全般)
牛乳のタンパク質をレンネット(酵素)の力で結びつける。その際乳脂肪も一緒に引き込まれ凝固します。レンネットは子牛の胃から抽出したもので、実は子ウシの胃でもカードが作られています。これはタンパク質を固め消化吸収を助けるためと考えられている。
・タンパク質の熱変性(リコッタ)
牛乳に熱を加えることによってタンパク質が固まる。牛乳を沸かすと表面に膜がはるが、これはたんぱく質が熱変性によって固まったもの。身近な物では湯葉や、茹で卵も同じ原理です。チーズ作りでは、ホエーを再加熱して作るイタリアのリコッタも同じ原理。タンパク質の熱変性は、60℃位から始まる。
塩化マグネシウム
・タンパク質の変性(豆腐)
豆腐の凝集もタンパク質の変性。チーズ作りにもレンネットとあわせて、使用する場合がある。豆乳に塩化マグネシウムを加えタンパク質を結び付けている。ちなみにこの塩化マグネシウムは、海水から塩を作る際に副産物として抽出できる。昔はこの抽出した塩化マグネシウムで、家庭でも豆腐を作っていた。
攪拌
・乳脂肪の分離(バター・クリーム)
これもチーズ作りではないが、牛乳や生クリームをシェイクすると乳脂肪が固まり、牛乳が固まったように見える。牛乳からはシェイクしても、わずかしか分離は見られないが生クリームなら大量に乳脂肪が分離する。ちなみにこれがバターである。

レモン汁でチーズ作り。基本レシピ。

材料
・牛乳…1リットル
・レモン汁…60ml(大匙4)酢でも可
※レンネットは使いません
道具
・なべ
・ボール・ザル・温度計
・布巾(キッチンペパーでも可)

レンネットでチーズ作り。基本レシピ。

カッテージチーズ
材料
・低温殺菌牛乳…1リットル
・レンネット…0.01g amazonで買えます
・ヨーグルト…大匙2
道具
・なべ
・ボール・ザル・温度計・pH計
・布巾(キッチンペパーでも可)

ハード系チーズの作り方

■ハード系チーズはプレスと熟成!

基本はカッテージチーズ作りで出来たカードに圧をかけ水分を抜き、塩漬けし、熟成します。プレスをかける力と熟成期間によってセミハードチーズ(半硬質)、ハードチーズ(硬質)となります。

■家庭で作るのは難しい。
フレッシュチーズは、作ろうと思えばすぐに揃います。ただハード系のチーズとなると敷居が高い。工程としてはカードに圧をかけて熟成させるだけだが、レンネットや、スターターを使用するなど、使用する原料も専門的な物になる。さらに最も難しいのが熟成。温度湿度の管理が重要で、熟練の技術と環境を要するため、熟成師という専門職がある位です。一般家庭でフレッシュチーズを作るノリとはことなり、単純に難易度が高い。
Q.スターターとは?
牛乳に含まれる乳酸菌は牛乳の乳糖を分解して乳酸を生成したり、牛乳を固まりやすくしたり、雑菌の働きを抑える働きをする。またチーズが熟成する過程ではタンパク質や脂肪を分解する働きがある。つまり牛乳が発酵したり熟成するのはこの乳酸菌の働きが大きいのだ。
チーズ作りではこの新たに加える乳酸菌やカビを総称してスターターと呼ぶ。乳酸菌は新鮮なヨーグルトなどを使用してもいいが、本格的なチーズを作るなら業務用のシード・カルチャーを培養して使う。

Q.チーズの熟成とは?
乳酸菌や微生物の出す酵素によって、牛乳の成分である、たんぱく質や脂質が分解されること。
この分解によってチーズ独特の風味が作り出される。ちなみに単純に熟成といっても放置しているだけではダメである。熟成庫などを準備して温度管理を行わなければいけない。熟成温度は基本的には摂氏10℃以下。夏がある日本では、適切な温度管理が必須である。

Q.熟成師ってどんな人?
フランスにはチーズの熟成に関して20年以上の経験を積み、メートル・デュ・フロマージュなどの称号を授けられる熟成師(アフィナール)も存在する。おもな業務は地下室や洞窟にある熟成庫の温湿度管理調整をおこなう。主にフランスのチーズショップの店主がその役割を担っている。熟成専門の職業があるくらいだから、やはり素人がチーズの熟成にまで手を出すには敷居が高い。
★チーズの熟成期間と必要な温湿度(目安)
<白カビ>
温度7℃・湿度82%・熟成3~4週
<青カビ>
温度6℃・湿度97%・熟成3~6ヶ月
<シェーブル>
温度7℃・湿度82%・熟成2~5週
<ウオッシュ>
温度9℃・湿度87%・熟成3~6週
<セミドライ>
温度5℃・湿度87%・熟成3~5ヶ月
<ドライ>
温度9℃・湿度87%・熟成2~3年

チーズ作りの製法

■チェダリング
チェダーチーズの製法で、他のチーズでも使われている物がある。ホエーを抜き終わって四角く切ったカードを積み重ね圧をかける。約15分おきにカードを何度もひっくり返すという作業。これによって、繊維状に組織化されたチーズとなります。
■パスタフィラータ
モッツアレラに使われる製法で、カードを熱湯で練り上げるという作業。これによって独特の繊維質の組織を作り上げます。カードを伸ばしたり折ったりストレッチすると、さけるチーズが出来上がります。
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